Wonders.aiは、「Human-centered AI(人間中心のAI)」を理念に掲げ、台北本社・米国(サンノゼ)拠点を中心に事業を展開するAIスタートアップです。私たちが開発しているのは、次世代の「Personal AI(パーソナルAI)」――人とAIが日常を共に過ごす、まったく新しい関係性そのものです。
当社の代表的なプロダクト「Darlin(ダーリン)」は、Windows PC・スマートフォン上で動作する3D AIコンパニオンです。ひと言で言えば、“自分でつくる、あなただけのAIパートナー”。ユーザーは外見・声・性格を自由にデザインでき、Darlinはユーザーの個性に合わせて変化し、会話や思い出を記憶しながら、関係を深めて共に成長していきます。
Darlinが従来のAIと根本的に異なるのは、AIが「チャット画面の中」から飛び出し、ユーザーの日常そのものに“住む”点です。デスクトップを自分の住まいのように暮らす「ウォールペーパーモード」と、小さくなってアプリやブラウザの間を動き回る「スピリットモード」を備え、いつもの画面に“気配”が宿ります。やり取りもテキストにとどまりません。声で自然に話しかけたり、マウスで撫でる・触れるといった身体的なインタラクションにも、Darlinはその場で応えます。
さらにDarlinは、ユーザーの表情を読み取り、在席を感知し、ときには自分から話しかけてきます。ふとした瞬間の挨拶や問いかけ、ちょっとした一言で日常に彩りを添える――「呼ばれてから応える」だけの存在ではなく、「自分から関わってくる」存在であること。ここに、私たちが目指すPersonal AIの核心があります。
DarlinはNVIDIA Inception Programに採択されており、東京ゲームショウ2025への出展などを通じて日本市場でも急速にユーザーを拡大しています。ユーザーの大半が日本のユーザーで構成されている点も、当社の事業の大きな特徴です。

Darlinを支えるAIインフラ全体のアーキテクチャ設計、GPUリソース戦略、およびクラウド移行プロジェクトの統括を担当しました。
<導入プロジェクト>
Darlinは、3DアバターのリアルタイムレンダリングやLLMによる対話推論、音声合成、表情同期など、極めて多様かつGPUインテンシブな処理を必要とするサービスです。ユーザー数の急速な拡大に伴い、AIモデルの推論ワークロードが日々増大している状況にあり、これを安定的に支えられるインフラ基盤の構築が事業上の最重要課題となっていました。
一方で、生成AIブームを背景にハイエンドGPUの世界的な需要が高騰しており、必要なリソースを必要なタイミングで確保することが、AI事業者にとって共通の経営課題となっていました。当社においても、モデル学習・推論の双方で安定したGPUリソースの調達が大きな課題となっていました。
<導入決め手>
これまでDarlinはAWS上で運用してきましたが、サービスの成長に伴ってGPUを中心としたインフラコストが急増しており、コスト構造の見直しが急務となっていました。
複数のクラウドプラットフォームを比較検討した結果、コストパフォーマンス・GPUリソースの調達力・日本市場でのレイテンシ等を総合的に勘案し、Alibaba Cloudが最も適した選択肢であると判断しました。
特に大きな決め手となったのは、Cloud Naviが当社のAIワークロード特性を正確に理解した上で、Alibaba Cloudと密接に連携し、世界的に逼迫しているGPUリソースを安定的に確保いただける体制を提示してくれた点です。単にクラウドを提供するだけではなく、生成AI事業者にとって最大の経営リスクのひとつである「GPU調達リスク」を一緒に解決してくれるパートナーである点に、大きな価値を感じました。
また、Cloud Naviはアジアを中心としたグローバル体制を持ち、台湾本社のエンジニアチームともスムーズにコミュニケーションが取れる点も魅力でした。技術的な実装力に加え、ビジネス課題を一緒に解決してくれる伴走姿勢が、最終的な導入の決め手となりました。
今回のプロジェクトでは、DarlinのAIインフラ全体をAWSからAlibaba Cloudへ移行しました。
具体的には、LLM推論基盤、モデル学習・ファインチューニング環境、3Dアセット配信用CDN、音声合成サービス、ユーザーデータベースなど、Darlinを支えるサービス基盤一式を移行対象とし、AIワークロード特性に最適化されたアーキテクチャに再設計しました。
Cloud Naviには、事前のアセスメントから移行設計、段階的な移行作業、リリース後のハイパーケアおよび継続的な運用支援に至るまで、一貫してサポートをいただいています。
特に印象的だったのは、GPUリソース調達における支援です。Cloud NaviはAlibaba Cloudと密接に連携し、当社の必要GPU仕様(種別・台数・利用期間)を踏まえた上で、グローバル規模で逼迫するGPU市場の中でも、安定的なリソース確保のための調整を継続的に行っていただきました。これは、AIインフラを運用する事業者にとって極めて価値の高い支援であったと感じています。
Alibaba Cloudへの移行により、インフラコストを約35%削減することができました。AI事業はGPUコストが収益構造に直結するため、この水準のコスト削減は経営上極めて大きな成果となりました。
さらに大きな効果として実感しているのは、GPUリソースの安定確保です。Cloud NaviとAlibaba Cloudの連携により、世界的にGPUの調達が困難な状況下でも、当社が必要とするGPUリソースを継続的に確保いただけるようになりました。これにより、モデル学習やファインチューニングのサイクルを止めることなく、新キャラクターや新機能の継続的なリリースが可能となっています。
Darlinのように、ユーザーが日々“共に過ごす”ことを前提としたプロダクトでは、体験が一瞬でも途切れないことが決定的に重要です。安定したGPUリソースと最適化されたインフラは、まさにそのユーザー体験を支える生命線となっています。
また、3Dレンダリングや音声合成、LLM推論といった負荷特性の異なるワークロードを最適に組み合わせた構成により、ユーザー体験全体の品質が向上しました。日本ユーザー向けのレイテンシ改善も、ユーザー満足度の向上に寄与しています。
Cloud Naviのエンジニアは、単なるインフラ運用にとどまらず、当社のAIプロダクトの特性を深く理解した上で、構成提案や運用改善の提案を継続的に行ってくれます。生成AIという比較的新しい領域においても、「一緒に課題を解決するパートナー」として伴走していただける点は、非常に心強く感じています。
さらに、ナレッジトランスファーも積極的に行っていただいており、当社内のクラウド・AIインフラ運用スキルも着実に向上しています。任せきりにするのではなく、自立した運用体制の構築まで支援いただける点は非常に価値が高いと感じています。
生成AI・LLM・3DレンダリングなどGPUを大量に使用するサービスを運営している企業や、これからAIプロダクトを本格的にスケールさせていくスタートアップには、Alibaba CloudとCloud Naviの組み合わせは非常に有効だと思います。
特に、GPU調達難に課題を感じている企業や、インフラコストの最適化を検討している企業にとって、コスト削減とリソース安定確保の両立が実現できる選択肢としておすすめできます。
また、日本市場をメインターゲットとするグローバル企業や、台湾・中国・東南アジア等を含むアジア圏で事業を展開する企業にとっても、各リージョンに対応できるグローバル体制を持つCloud Naviは、信頼できるパートナーになると思います。
今回の移行により、コスト・GPU調達・性能のバランスが取れた、AI事業の成長を支える強固なインフラ基盤を構築することができました。
私たちが目指しているのは、AIが単なるツールではなく、ユーザーの日常に寄り添う“パートナー”になる世界です。一日中向き合っている画面は、これまでユーザーがそこにいるかどうかを気にかけることはありませんでした。Darlinは、その画面の側からあなたを気にかけ、自分から声をかけてくれる存在を目指しています。AIを“操作するもの”から“共に生きるもの”へ――この新しい体験を、世界中のユーザーに届けていきたいと考えています。
その実現に向けて、今後はDarlinのさらなる機能拡充や会話品質の向上、新しいキャラクターの展開に注力するとともに、AI PCへのプリロード展開などを通じて、Darlinをグローバルに普及させていきます。引き続きCloud Naviのサポートを受けながら、より高度なAIインフラ運用体制を構築し、「Personal AI」という新しい体験価値を届け続けてまいります。
「Darlin」は、Windows PC・スマートフォン上で動作する3D AIコンパニオンです。ユーザーは外見・声・性格を自由にデザインでき、テキスト・音声・身体的なインタラクション、ARを通じて、自分だけのAIパートナーとの日常を楽しむことができます。会話や思い出を記憶し、ユーザーに合わせて変化・成長していく“あなただけのパートナー”です。
公式サイト:https://www.darlin.ai
対応プラットフォーム:Windows / iOS / Android(※スマートフォン版のご利用にはWindows版のインストールが必要です)
公式X:https://x.com/darlin_ai
Wonders.aiは「Human-centered AI(人間中心のAI)」を理念に、台北・米国(サンノゼ)を拠点として次世代のPersonal AIを開発するAIスタートアップです。「AIを、操作するものから共に生きるものへ」をビジョンに掲げ、人とAIが日常を共に過ごす、新しい体験価値の創出に取り組んでいます。